心の傷む、素敵に悲しい物語。
東京で一人暮らす岩淵亮介(境利朗)は、盆になると故郷盛岡に帰ってくる。そこには妹の結子(吉岡扶美子)が一人で待っていた。兄の帰省を喜ぶ結子は、手作りの料理で彼を迎える。初めは楽しげに思い出話に興じていた二人だったが、結子は次第に感情を昂ぶらせ、執拗に盛岡と東京の違いを問い正す。
故郷を離れて暮らしているという立場が同じせいか、痛いくらいに同感してしまう。しかも配偶者が盛岡出身なので、僕もこの街にはそれなりの思い入れがある。故郷を離れて何年も経つうちに、次第に自分の居るべき場所が少しずつ移っていく。それが悲しくて、口惜しくて。
さて、前半の中心は盛岡と東京の違い。一つひとつ取り上げてみると、
初日公演中止のため追加公演で観劇。見(ら)れてよかった。
飛龍小学校の2年生、噂屋マリ(平和堂ミラ)の依頼で飛龍エメラルドを探し出した3年生探偵ジョー(保村大和)は、飛龍エメラルドの呪いにかかってしまう。呪いを解くためにはエメラルドが必要だ。しかし既にエメラルドは、児童会長 遠山キンコ(遠坂百合子)、児童会書記 真面目口パチオ(腹筋善之助)と番長 轟天寺(佐々木蔵之助)、忍者 不知火(腹筋善之助)の両グループが争奪戦を展開していた。
ビスタチオってすごい。なんでこんなにおもしろいんだ? 特に今回の見せ場は二つ。一つ目は腹筋さんの一人芝居。ちょっと長すぎるという気がしないでもないけれど、大笑いしてしまった。もう一つは時計塔の決闘シーン。お得意のマイムと照明で耽美的な舞台を堪能してしまった。ミラノさんは脚を引きずりながらの熱演。芝居が見れなくなると寂しいので、怪我には気を付けてください。
ところでクライマックスのBGMが「鬼平犯科帳」だと僕は思ってしまったけれど、あれ別に鬼平のオリジナルじゃないらしい。でもやっぱりイメージが強すぎて鬼平の顔が思い浮かんでしまう。
前半はどうしようかと思った。舞台の騒ぎがまるっきり他人事だったから。
女学校時代の親友ペン(池田有希子)と出会ったはっぱ(西牟田恵)の二人は正体不明の「オジサン」に拉致され、布団部屋に軟禁される。二人ははっぱの兄に助けを求めるためにいくつかの策を練る。
前から2列目だと辛い。ステージの上にさらに舞台を重ねたような作りで、二人が寝転がったりするとほとんど見えない。しかも舞台前方に布団を積み上げたりするもんだから、見えなくてストレス溜まるゾ。
さて、こういう芝居は僕には難しい。どこに気持ちを持っていけばいいのかよくわからなくて。ま、単純に西牟田さんを拝みに行ったと思えば別に不満はないんだけど、それで良いのかな? もっと寒々とした作りにしてもらった方が、僕にはわかりやすかったです。
1997/05/03(taranco)久しぶりにジテキン。男臭くない男だけの舞台。
ナチスの捕虜収容所に収容されている10人のアメリカ人。クリスマスの近づいたある日、二人が脱走を試みた。しかし彼らはナチスの監視兵に射殺されてしまった。情報が漏れているのだ。部屋の中にナチスと通じているものがいる。皆の疑いは、同室者といつも反目しあうセフトン(吉田朝)に集まる。
戦争を扱うのって難しいのだろうか。それとも僕が気にしすぎているだけかもしれない。なんていうか、ナチスがアメリカ兵にやったのと同じようなことを日本人もしたかもしれないなんていうことを、すぐに考えてしまう。そしてそれは僕たちに直接関係ない昔のことだと言ってしまうわけにはいかないような気がするのだ。
ところで芝居はとても面白かったです。音楽と暗転が特にお気に入りですね。
20年の入院生活から解放された妹と、妹のことを心配ばかりしている姉の、愛と葛藤と和解の物語・・・だと思うんだけど。
サクラの母瑞恵は結婚プランナーをしている。ある日瑞恵の妹可南子が突然遊びに来た。可南子は結核で20年も入院していのだ。病気のことを忘れたように好き勝手に動き回る可南子に姉の瑞恵はハラハラしどおし。ある日可南子は自分のイラストを持ち込んだ先の編集者の結婚式を姉に斡旋する。
ちょっと今回は、物足りないなあ。登場人物が多くて、誰に焦点を合わせて見れば良いのか、わからなくなってしなう。一つ一つはおもしろいエピソードなだけに、すごく惜しい気がする。それにしても菅野さんがいないのは寂しい。舞台の上にびしっとした緊張感が足りないもんな。
正直言うと今回は、真柴あずきさんの書かれたチラシの文章が一番心を打ちました。
久しぶりに素敵なカコさんの舞台姿が見られて、本当にうれしい。
あかり(佳梯かこ)と ほたる(伊東景衣子)姉妹は震災後の壊れかけた家に暮らしている。ほたるのダンナのモリ末(伊東洋三郎)は「困ってるみたいだから」という理由でほたるの別れた夫キンゾー(鄭義信)やあかりを捨てて若い女と逃げたスエ太(朱源実)を家に呼ぶ。男たちの無邪気で無責任な振る舞いや、夢見たままのような姉あかりの物言いに、ほたるは次第に苛立ちはじめていた。
神戸の地震跡が舞台。「震災の真実を暴く」というような堅苦しい芝居ではないです。佳梯かこさんはプロジェクト・ナビが東京に来なくなってからずっと見てない。あいかわらず表情豊かで、指を広げたり、うなずいたりする動きの一つ一つに見とれ、抑揚のあるよく通る声に聞き惚れてしまった。(日経新聞によると、東京で地震が起きたという設定らしいです 97/03/08)
1997/02/15(taranco)三浦洋一と平田満の共演で話題だけれど、一番輝いていたのは高田聖子さんだった。
ゲンサン(平田満)の営む我楽多屋には、いつでも男たちが集まってくる。日本語学校の教師(菅原大吉)、売れないロッカー(京晋佑)、オタクっぽい青年(武田義春)、そして仕入屋で元小説家(三浦洋一)。その店に住み込みで働かせてくれと若い女(高田聖子)が飛び込んできた。
その時僕は、紀伊國屋書店でコンピュータ関係の本を探していた。6:30頃、店内案内で当日券が発売中とのこと。よく聞くと演出は木野花で、京さんや高田さんが出演するらしい。僕はあわてて当日券を求めた。
いやあ、久しぶりにまっとうなお芝居を見た気がする。キャラメルもピスタチオも好きだけれど、こういうまっすぐな舞台もいいなあ。三浦洋一さんとか平田満さんとか、もうこんな大物の舞台を見ることはないだろうと思っていたので、それだけでも感動もん。さらに、この二人を食っていたのが高田さん。ファンになりそう。